【簿記論】予備校と独学、どちらを選ぶべきか?

簿記論を学ぶ方法として「予備校に通う」か「独学で進める」かで悩む方が多いです。
それぞれに良い点と注意すべき点があり、自分に合った選択をすることが合格への近道です。
本記事では、予備校と独学のメリット・デメリットを比較し、効果的な学習法を見つけるお手伝いをします。
簿記論予備校のメリットとデメリット
予備校のメリット|プロの講師から学べる
予備校で学ぶ最大のメリットは、プロの講師から直接指導を受けられる点です。
わかりにくい部分も、講師が丁寧に解説してくれるため、効率よく理解できます。さらに、以下のような利点もあります
- 最新の出題傾向を反映した授業内容
- 他の受講生と競い合う環境が整っている
- スケジュール管理がしやすい
特に独学が苦手な方や、初めて簿記論を学ぶ方には適していると言えます。自分で情報を集める手間を省ける点も魅力です。
上記3つについて、これから説明します。
1.最新の出題傾向を反映した授業内容
予備校の講義では、合格に必要な知識を強弱付けて学習できます。
テキストに書かれていても、合格するためには不要な論点って、実は結構あるのです。
独学で勉強すると、「どれくらい力を入れて勉強すべきなのだろうか」と不安になることもあるでしょう。
一方、予備校で学習すれば「この論点は無視して構いません!」と、講師が断言してくれます、
講師はその道のプロなので、彼らの発言を信じて失敗することは殆どありません。
そのため、不要な論点まで手を広げてしまいそうな方は、予備校の利用をおすすめします。
2.他の受講生と競い合う環境が整っている
予備校で簿記論を学ぶと、定期的に確認テストが実施されます。
多くの予備校では、提出された答案をもとに作成した、得点分布のデータを公開してくださるので、現在の自分の立ち位置を把握することができます。
自分の勉強方法は正しいのか不安になるという方は、こういった点で予備校の利用をおすすめします。
3.スケジュール管理がしやすい
はじめに言っておくと、予備校のカリキュラムはすごいです。
筆者も学習を始めたころは、簿記一巡の手続きすら理解できていませんでした。
基礎期の確認テストはボロボロで、答練でも上位50%辺りをウロウロしていました。
それでも、講師の指示に従って学習を進めることで、最終的には合格点をとることができました。
そのため、学習経験の少ない方やご自身で学習計画の管理ができない方は、スケジュール管理の委託といった面で予備校の利用をおすすめします。
予備校のデメリット|費用が高い
一方で、予備校は費用が高い点がデメリットです。一般的に10万円以上の費用がかかることが多く、経済的な負担が大きくなります。また、以下のような難点も挙げられます。
- 通学に時間がかかる
- 一律のスケジュールに合わせる必要がある
- 授業内容が個別対応ではない
費用や通学の負担を考えると、忙しい社会人や学生には難しい場合もあります。こうしたデメリットを理解したうえで選ぶことが大切です。
上記3つについて、これから説明します。
1.通学に時間がかかる
予備校の校舎は大抵、都会的なエリアにあります。
例えば東京なら、水道橋(神保町)で通学講義を行う予備校が殆どです。
ちなみに筆者は、30分くらいかけて予備校に通学していました。
大学や職場、自宅からの距離が離れている場合は、通学可能な範囲であるか確認したうえで、場合によっては通信講座を検討してみるのも良いでしょう。
2.一律のスケジュールに合わせる必要がある
予備校の講義は、週1~2コマのペースで行われます。
お仕事や大学生活との両立の面で、このペースを早いと感じる方もいるでしょう。
しかし、税理士試験は社会人受験生が多くを占めるので、よほどの忙しさでなければ、このペースについていくことは十分可能であると思います。
3.授業内容が個別対応ではない
税理士試験の講座は、ほぼ全て集団指導で行われます。
学校の授業と同じような形式であると考えていただいて構いません。
また、講義中に質問を挟むことは、ほぼ不可能です。
しかし、予備校では質問メールや質問電話のサービスを設けていることが殆どなので、分からないことがあれば後で質問することが可能です。
※回答の返信は時間がかかります。
また、質問電話は対応可能な日時が限定されています。
予備校が向いている人の特徴
以上のことから、予備校は次のような方におすすめです。
- 計画的に勉強を進めるのが苦手な方
- 予備校の受講料を捻出できる方
- 早く合格するために効率を重視したい方
特に、勉強法に自信がない方や、1年以内に合格を目指したい方には、予備校での学習が効果的です。
簿記論独学のメリットとデメリット
独学のメリット|自由な学習ペース
独学の最大の魅力は、自由に学習ペースを決められることです。
自分の生活スタイルに合わせて勉強できるため、時間が限られている方にも向いています。
また、以下の利点もあります。
- 費用を大幅に節約できる
- 短期間で合格できる可能性がある
- 自分のペースで学習を進められる
上記3つについて、これから説明します。
1.費用を大幅に節約できる
大手の予備校で簿記論を学習する場合、平均で10万円弱かかります。
学生にとっては大金ですし、社会人の方でも簡単に出せる金額ではありません。
一方、独学で学習すれば受講料はかかりません。
電卓と教材を揃えたら、いつでも学習を開始することができます。
このように、なるべくお金をかけずに学習したい方には独学が向いていると言えます。
2.短期間で合格できる可能性がある
通常、予備校の講義は7か月~1年の期間でカリキュラムが組まれます。
簿記1級や会計士の短答式試験に合格されている方にとっては、殆どが既習論点となるでしょう。
これらの方は、基礎期から講義を受けなくとも、答練・模試レベルの問題や過去問をこなし、問題の取捨選択能力を身に着けるだけで、十分合格レベルに到達できます。
このように、既に高度な簿記の知識を有している方は、独学で学習した方が合理的かもしれません。
3.自分のペースで学習を進められる
予備校の講義は基本的に、毎週行われます。
一方、独学の場合は自分で学習計画を立てることができます。
1つの論点に2~3週間かけることも可能です。
このように、時間にある程度の余裕があり、自分のペースで学習したい方には独学がおすすめと言えます。
独学のデメリット|自己管理が難しい
独学での勉強は、自己管理が苦手な方には難しい面があります。
特に簿記論は範囲が広いため、計画を立てずに始めると挫折する可能性が高いです。他にも以下のような課題があります。
- わからない問題を解決するのに時間がかかる
- モチベーションを維持するのが難しい
- 合格に時間を要する可能性がある
上記3つについて、これから解説していきます。
1.わからない問題を解決するのに時間がかかる
独学で学習するとなると、講師もいなければ、質問メールや電話も使えません。
したがって、わからない事があっても、基本的に自分で解決する必要があります。
最近ではLINEのオープンチャットで質問できる部屋もありますが、彼らの回答が必ずしも正しいとは限りません。
そのため、予備校を利用する人に比べて、疑問点を解決しづらいというデメリットがあります。
2.モチベーションを維持するのが難しい
独学の場合、小テストや答練がありません。
そのため、自分の立ち位置を把握することが難しくなります。
得点分布のデータは自分の順位のみならず、勉強の仕方や量の改善をする際の参考になるため、基礎期にこれらを利用できないのは、ハンデといえます。
3.合格に時間を要する可能性がある
独学の一番怖いところは、遠回りな学習をしてしまうリスクがあることです。
予備校を利用すれば、講師から提示された課題をこなすことで、合格に必要な実力をつけることができます。
しかし、独学では正しい努力の方向性がわかりづらいため、自分の学習方法が間違っていることに気づかず、合格に長期を要する可能性が考えられます。
税理士試験は年に1回しかないので、なるべく短い時間で効率的に学習したい方には、独学は不向きといえます。
独学が向いている人の特徴
上記のことから、独学は次のような方に向いていると言えます。
- 自分のペースで学習を進めたい方
- 学費を節約しつつ合格を目指したい方
- 既に簿記1級・短答レベルの知識がある方
つまり、自分で学習計画を立てられない方や強経験の浅い方には、独学は向いていないといえます。
簿記論予備校と独学の選び方の基準
時間の有無で選ぶ方法
自分がどれだけ勉強時間を確保できるかで、予備校か独学かを決めるのも一つの方法です。
忙しい方には、予備校のスケジュールに従うほうが効率的な場合があります。一方、時間に余裕がある方は、独学でコストを抑えながら進めるのも良い選択です。
学習費用を考えた判断基準
予備校は費用がかかるため、学費をどの程度負担できるかを検討することも重要です。
家計に余裕がない場合は、独学や通信講座など費用を抑えた方法を選ぶとよいでしょう。
モチベーション維持のしやすさを比較
独学ではモチベーションが続かない方が多いです。
そのため、学習管理が苦手な場合は予備校を選ぶほうが適していると言えます。
予備校と独学を組み合わせる勉強法
予備校と独学を組み合わせる方法もあります。
例えば、基礎は独学で学び、直前期から答練・模試を受講することで、コストの削減に加えて本番レベルの実力をつけることができます。
まとめ|簿記論予備校と独学を上手に活用
簿記論の勉強には、予備校と独学それぞれにメリットとデメリットがあります。
どちらが適しているかは、自分の学習スタイルや環境によって異なります。
本記事を参考に、自分に合った方法を選び、効率よく合格を目指しましょう。
今回の記事は以上となります。